『ザンキゼロ』をクリアしたのでレビューしていきます。
一部ネタバレを含むので注意してください。
ザンキゼロってなに?
『ザンキゼロ』は「スパイク・チュンソフト」「ランカース」が開発し、「スパイク・チュンソフト」から2018年に発売された、PS4・PS Vita・PCでプレイ可能な「ノンストップ残機サバイバルRPG」です(公式いわく)。わかりやすく言うと個人的には「サバイバル」「ダンジョンアドベンチャー」ゲームだと思っています。
このゲームですが「ダンガンロンパ」シリーズのスタッフが開発したゲームとして有名です。デザインとかを見ると似た雰囲気を感じる人が多いと思います。
ゲームシステムとしては、日々を生き残り=サバイバルしながら廃墟を探検していくゲームとなっています。廃墟を探索しながらシナリオを進めていく形となっています。
そして、このゲーム最大の特色ですが、主人公たちの寿命には限りがあり、そのままでいると約2週間程で老衰します。しかし、死んでも生き残る"あるシステム"があり、それを駆使してサバイバルをしていくことになります。
難易度は高いとも言えますし、低いとも言えます。ゲーム内で難易度を一部制約があるものの自由に変更可能なため、シナリオだけ楽しみたい人、歯ごたえある難易度を楽しみたい方のどちらも楽しめるようになっています。
ただやはりメインはシナリオでしょうか。
なかなか凝ったシナリオが楽しめるため、シナリオ重視の方が買うゲームだと思います。
それで具体的にはどんなゲーム?
サバイバル要素について
このゲームですが、リアル志向であり、アイテムの重量や空腹、さらには排泄まで管理する必要があります。
まずアイテムですが、アイテムは持ち運びできる枠が限られており、装備枠を除くと7枠までとなっています。
また、キャラごとに持てる重量が決まっており、アイテムには重量があるため(0.2kgとか3kgとか)、あるキャラでは約20kg持てるのに別のキャラでは約10kgしか持てないから運べないなどの状況が発生します。
そのうえ後述しますが、このゲームは主人公たちの年の取り方によって、幼年期、青年期、壮年期、老年期と体が変化していき、それぞれで持ち運び重量が定まっています。
重量を超えるとその場から動けなくなるため、どの荷物を持つか何を捨てるかなどの選択も重要となってきます。特に敵がいるのに何も考えずに拾うと、動けなくなってボコられるなどの展開がたまに起きます。
次に空腹ですが、主人公たちにはスタミナゲージがあり、これは時間経過で減少していきます。基本的に食事することで回復します。スタミナゲージを放置して0になると体力(生命力)がどんどん減っていき死んでしまいます。
ちなみに、食料は持ち運びできますがこれにももちろん重量があります。
そして、便意という概念があり、限界を迎えると漏らします。漏らすと攻撃のクールタイムが一時的に長くなり、悪臭がしてストレスが溜まりやすくなるなどの様々なデバフ状態となります。とにかく漏らして得することはないのでトイレを探したり、空のペットボトルで一時的にしのいだりします。
上述のストレスですが、汚いトイレを使ったり、物を持ちすぎたりなどのさまざまな要因で高まります。ストレスが高まるとスタミナが減りやすくなるため、水などの飲み物を飲んだり、好物を食べたりしてリフレッシュすることが必要となります。
上に書いている飲み物や食べ物は、当然自給自足して集める必要があります。やぎを倒して肉を集め干し肉にしたり、ステーキにしたりして食べたりします。飲み物は給水塔から補給します。これはあくまで一例で料理や飲み物はいろいろなものを作ることができます。
このようにして、今日を生き抜くために主人公たちを徹底的に管理するゲーム、究極の自己管理RPGがこのゲームの特色となっています。
廃墟探索について
このゲームですが、上述のサバイバルをしながら廃墟を探索しながらストーリーを進めていくゲームとなっています。廃墟ではクリーチャーに襲われるため、敵に注意しながら探索を進める必要があります。そのほかトラップがあったり、謎解き要素もあったりします。
敵に襲われることを考慮して装備を整え、準備を整え、空腹と便意に耐えながら進んでいきます。
ちなみに、このゲームはフィールドがマス目に分かれています。立体になった不思議のダンジョンみたいなイメージでしょうか。ダンジョン内部は入るたびに変化はしませんが。
クローン・シガバネシステムについて
このゲームですが、ある条件を満たすことによって何度でも生き返ることができます。
主人公たちはクローンであるため、特殊な条件を満たすことによって記憶を保持したまま何度でも新しい肉体が手に入るのです。
しかし、手に入る肉体は高速で老化する肉体であり、生まれてから約2週間で老衰することになります。わずか2週間しか生きられない蘇る肉体を武器に探索を進めていきます。
この高速で老化する肉体ですが、ある意味ではメリットでもあります。数日ごとに幼年期、青年期、壮年期、老年期と変化していくため、短期間で人として屈強な時期となる青年期の身体を手に入れることができるのです。
また、それに付随して「シガバネシステム」というものがあり、これは死因によってそれへの抵抗力を高めた肉体が手に入るシステムです。どういうことかというと、毒で死ねばその毒への抵抗力を高めたり、特定の動物に倒されれば、その動物から受けるダメージを減らす肉体が手に入ります。
何度も蘇る肉体に様々な抵抗力をつけて、より強い身体で敵に立ち向かう。そんな楽しみ方ができます。「シガバネ」はたくさんあり、重量オーバーの状態で死ぬと持てる重さが増えるなどの直接的な死因以外でもボーナスがつきます。
世界観について
舞台は人類が滅亡した世界。
地球上にかつての文明の姿はなく、廃墟が海に漂流している。そんな世界。
主人公たち8人はとある島にて目覚め、なにもわからないまま今日を生き抜くため、サバイバル生活を始めます。そして、島に流れ着いた廃墟を探索し、人類滅亡の真実、復活の方法などを探っていきます。
廃墟が漂流する地球
引用元:ザンキゼロ | スパイク・チュンソフト
神様が世界を作るの7日間。
人間が世界を壊すのにたった1日。
昨日までの日常は海に沈んでいた。
壊れた世界とそこに残された理由を僕らはまだ知らない。
面白かった?
面白かったです。
サバイバル要素ですが、人によっては面倒に感じるようですが、自分はそういうゲームだからと特に気になりはしませんでした。難易度も変更できるのでサクサク進めたい人は下げればいいのかなと思います。
特に施設の改良が面白かったですね。例えば、最初はトイレが汚くてみんなが使うとストレスがたまるようなトイレだったのを、素材を集めて改良していく。そして綺麗なトイレに作り上げていく過程などが楽しかったです。
戦闘は少し単調に感じましたが、このゲームシステムなら単調に感じるのも仕方ないのかなとも思います。自分は難易度Ⅲでプレイしていたため、敵からダメージが高く、緊張感を持ってプレイできました。
ストーリーに関しては、序盤から中盤にかけてのストーリーの盛り上がりが素晴らしく、とても引き込まれました。続きが気になって早く先に進めたいという気持ちになりました。
ラストは切ないが希望ある終わり方となっています。いろいろな考えがあると思いますが、プレイした人はどのように考えるのでしょうか。
ストーリーに関してはネタバレ対策として別の記事にしてまた書こうかなと思います。
また、進行役のキャラとしてとあるペアがいるのですが、このキャラ同士の掛け合いがとても面白いので、ここだけでも一見の価値ありです。
不満点はある?
・サバイバル要素について
人によって捉え方が違うと思うのですが、サバイバル要素を面倒だと感じる人はいると思います。難易度を下げれば重量、空腹などの管理は簡単になるのですが、その分敵も弱くなるので歯ごたえがなくなります。面倒な要素は省いて敵だけ強くするということができないため、そういうのを求めている人にはおすすめできないですね。
ちなみに難易度を最低まで下げると敵が一撃で倒せ、空腹などの管理も不要になるのでストーリーだけ追いたいという人はそうすることでサクサクと進められます。それがゲームとして楽しいかどうかという問題がありますが。
・ベース拡張やアイテム作成に必要な素材について
素材を集めてベース拡張などができるということを先ほど説明しましたが、この素材について少し不満点があります。難易度によって素材のドロップ率が異なります。難易度Ⅲがおすすめとゲーム内で表示されているので難易度Ⅲでプレイしていたのですが、難易度Ⅲではベース拡張に必要な素材がなかなか出ない。難易度Ⅳに変えると必要な素材がぼろぼろと出てくる。これなら最初から難易度Ⅳがおすすめ設定でよいのでは?
最強装備を作るとかならまだしもベース拡張というゲームとして面白い部分に影響するので、どの難易度においてもベース拡張に必要な素材は多少の苦労で手に入るようにしてよいのではと思いました。
まあ、低難易度だとそもそもベースを拡張する必要もないのですが。敵が弱すぎるため。難易度に関しては相当大味です。
・終盤に出てくる敵とステージについて
このゲームは自分が動いたどうかに関わらず、敵は勝手に動いています。それは別にいいのですが、終盤から勝手に瞬間移動する敵が出てきます。この敵は自分の視界から外れると瞬間移動して自分に近づいてきます。だいたい後ろに来ます。あとやたら数が多いです。
プレイ画面は主観であるため、勝手に瞬間移動されて後ろにいるので振り返るとビビります。見た目も不気味なので。普通に移動していて振り返ると後ろにいて攻撃されるのでなかなかに不快ですね。
あと、通常の敵と下がりながら戦っていると急に後ろへ瞬間移動されて挟み撃ちにされるので、なかなかにムカつきます。主人公側には挟まれると抜け出す術がほとんどないため、ただただ鬱陶しいです。
また、ステージも一本道の箇所が多く、簡単に挟まれます。なんか後ろから攻撃されて振り返ると瞬間移動した敵がいて、いったん逃げようと振り返ると別の敵が瞬間移動しているので相当イライラします。
難易度が高いせいで1~2撃でパーティーが壊滅するのもこいつにむかつく理由ですね。まあ、運の部分も大きいですが、壁を背にして動くなど考えて立ち回れば問題はないです。ムカつきますが。
この瞬間移動してくる敵がヤギなら許した。
・ストーリーについて
序盤~中盤の展開が面白すぎて、そこからの流れが消化試合のように感じます。まあ、これは最初が素晴らしすぎたというだけの話です。
さいごに
演出部分に関してはなかなか作りこまれていて、序盤~中盤のストーリー展開が素晴らしいのでぜひプレイしていただきたいゲームです。
個人的には難易度Ⅳでのプレイをおすすめしたいです。